子供のサッカーの試合などをカメラで撮影していると、「さすがプロですね!」とチームメイトのお父さんお母さんから声を掛けて頂きます。
写真が上手いかは置いておいて、私はスポーツ撮影で失敗写真を撮ることはほぼありません。
それは写真の腕が良いからではなく、正しいカメラの設定を知っているからなんです。
ちょっとしたカメラの設定をすることで、カメラにうまくサポートしてもらうというのが正しい表現かもしれません。
本記事では、スポーツ撮影をする際の失敗の原因と、失敗を防ぐための具体的なカメラ設定についてご紹介したいと思います。
スポーツ撮影は難しい?
子供が所属するサッカーチームのお父さんお母さんに話を聞いてみると「スポーツ撮影=素人には撮れない」というイメージを強く持っている方が多いです。
確かにサッカーのような動きの激しいスポーツを撮影する場合、以前は正しいカメラの知識が無いと失敗しやすかったのも事実です。
しかし、最近のカメラの進歩は凄まじく、知識が無くてもちょっとしたカメラ設定を知っていれば、どなたでも簡単にスポーツ写真を撮ることが出来るようになっています。
私もカメラを始めた頃は、単語からグーグルで検索しながら少しずつ理解するという苦労をした記憶があります。
ですので、皆さんにはなるべくカメラの専門用語を使わずに、わかりやすく説明していきたいと思います。
スポーツ撮影を失敗してしまう3つの原因
スポーツ撮影の失敗写真を見てみると、多くのもの場合以下の3つのケースに分けられます。
- 選手がブレている
- ピントが合っていない
- 選手が小さく写っていて迫力がない
まずは、失敗する原因をそれぞれ説明します。
①選手がブレている
https://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/manual/04/03.html より画像引用
スポーツ写真の失敗写真のおよそ半分以上が、写っている選手がブレてしまっている写真です。
原理的な話はニコンのサイトなどに詳しく解説されているのでここでは触れません。
簡単に説明すると、明るさが十分でない場合にカメラが明るさを自動で設定してくれるのですが、その結果ブレが発生してしまうのです。
ですので、屋内スポーツであったり、ナイターなど暗い撮影の際に写真がブレることがよく起きます。
②ピントが合っていない
https://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/manual/16/03.html より画像引用
ブレ写真に続いて多い失敗写真が、ピントが合っていないピンボケ写真です。
昔の安いカメラの場合、このピント合わせを行うAF機能の性能がイマイチなカメラが多かったです。
最近の一眼レフカメラのAF機能は性能が十分なのですが、初期設定のカメラ設定で使うとピントが全く合わないカメラも残念ながらまだまだ多いです。
また、コンデジや少し前までのミラーレスカメラの場合、正直ピントを合わせるAF機能の性能が低く、そういったカメラの場合スポーツ撮影は難しいと言えるかもしれません。
③選手が小さく写っていて迫力がない
https://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/lenslesson/lesson23.html より画像引用
上の写真はスポーツ写真では無いですが、人物が遠いので小さく写ってしまっていますね。
スマホなどでスポーツを撮影する場合、こういった写真になってしまうことが多いと思います。
どんなに良いプレーを撮影出来ても、選手がこんなに小さいと迫力の無い写真になってしまいます。
この問題はカメラの設定や撮影テクニックではなく、撮影するスポーツの種類や撮影する位置に応じて、カメラに取り付けるレンズを適したものにすることで解決します。
以上、スポーツ撮影で失敗する3つの原因を説明しました。
撮ることが難しいと感じるスポーツ写真ですが、実はこの3つのポイントをしっかり抑えれば誰でも失敗せずに撮ることが出来るのです。
スポーツ写真を撮るコツ
ここからは、スポーツ写真を撮影するうえで失敗の原因になる3つのポイントをクリアするためのコツをご紹介します。
①シャッター秒時を速めに設定してブレを抑える
シャッター秒時とは、カメラが被写体を露光するためにシャッターを開けている時間のことです。
露光中に被写体が動くと被写体ブレとなるため、シャッター秒時が長いと被写体ブレが発生します。
ニコンのサイトなどに詳しく解説されているのでここでは触れません。
覚えておいて欲しいのは、シャッター秒時を長くするとブレやすいということです。
このシャッター秒時を設定するためには、カメラの撮影モードをMモード、もしくはSモード(またはTVモード)に設定する必要があります。
ニコンやソニーなどのカメラの場合は、下の写真のようにカメラ右肩のダイヤルをMまたはAに設定します。
キヤノンのカメラの場合は、下の写真のようにカメラ右肩のダイヤルをMまたはTVに設定します。
さらに、撮影の明るさに応じてシャッター秒時を適切にその都度変える必要があります。
②AFをAF-C(サーボAF)に設定してピントを合わせる
ピント合わせの設定も非常に重要です。
大体のカメラは初期設定が、「AF-S」または「ワンショットAF」という設定になっています。
これでは、動いている物にピントを合わせられないのでスポーツ撮影に失敗するのは当たり前です。
そのため、カメラの設定を「AF-C」または「サーボAF」に設定する必要があります。
ニコンやソニーなどのカメラの場合は、下の写真のように「AF-C」に設定します。
キヤノンのカメラの場合は、下の写真のように「サーボAF」に設定します。
(写真はワンショットAFになっていますが…)
③望遠ズームレンズを使って大きく撮ろう
迫力のあるスポーツ写真を撮影するためには、選手などを大きく大きく写す必要があります。
選手を大きく写すことで視線や表情などを写真に収めることができ、より臨場感とストーリー性のある写真にすることが出来ます。
そのためには、普段使っているレンズではなく望遠ズームレンズを使う必要があります。
望遠ズームレンズも色々な種類がありますが、まずはカメラと望遠レンズがセットになっているレンズセットを購入することをおすすめします。
望遠ズームレンズはF値の明るいレンズが使えればベストです。
しかし、F値の明るいレンズはお値段とレンズの大きさ重さが負担になると思います。
最初の望遠ズームレンズとしては、カメラとセットになっている望遠ズームレンズがおすすめです。
↓がF値の明るい望遠ズームレンズ
↓がカメラとセットになっている望遠ズームレンズ
はじめての一台としておすすめのカメラとレンズのセット商品もまとめています。
良かったら参考にしてください。
スポーツ撮影で失敗しないための4つのカメラ設定
ここまで少し難しいことも書いてしまいましたが、ここからはスポーツ撮影の失敗を防ぐ具体的なカメラ設定を紹介します。
①オートモードは絶対に使わない!
初心者の方は、まずはオートモードを使うことを推奨していることが多いですが、スポーツ撮影ではオートモードを絶対に使わないでください!!
スポーツ撮影ではシャッター秒時が大切なので先ほど紹介したように、カメラの撮影モードをMモード、もしくはSモード(またはTVモード)に設定する必要があります。
スポーツ撮影の場合は、シャッター秒時を1/400秒程度に設定すれば大抵のスポーツはボケずに撮影することが出来ます。
しかし、よりカメラ任せでスポーツ撮影が簡単になる方法をご紹介します。
次に説明する「低速限界秒時」を設定することです。
②「低速限界秒時」を1/400秒にしよう!
ニコンのカメラなどで使える機能なのですが、「低速限界秒時」を設定すると基本は1/400秒で撮影するのですがどうしても暗い場合はカメラが自動でシャッター秒時を長くしてくれる機能です。
先ほど紹介したSモードで1/400秒に設定した場合、とても暗いシーンでは明るく写真を撮影することが出来ません。
そのため、明るさに応じてシャッター秒時を正しく設定しなおす必要があるのです。
この「低速限界秒時」を使うと、普段はブレのない写真を撮ることができ、暗い場合はシャッター秒時を自動で落としてくれるので明るさがちゃんとあった写真を撮ってくれるのです。
ニコンのカメラの場合は、下の図のように撮影メニューのISO感度設定のところに「低速限界秒時」の設定があります。
この設定は最近のニコンのカメラなら必ず付いています。
確かソニーやキヤノンのカメラにも付いているので探してみてください。
③レリーズモードを連写に設定しよう!
スポーツはいつ決定的な瞬間が訪れるかわかりません。
そのためにもここぞというシーンでは連写をして絶好のシャッタータイミングを逃さないようにしましょう。
カメラの初期設定は一枚しか撮れない単写になっているので、カメラ設定を変える必要があります。
ニコンのカメラの場合は、ここを押して設定します。
ニコンやソニーのカメラの場合は、一番連写の速い連写Hや連写H+を選んでおけば間違いないです。
しかし、キヤノンのカメラの場合、一番速い連写設定の場合はピントが固定になってしまうことがあります。
ですので、連写の設定をする際はカメラの画面に出てくる注意事項をよく読んでください。
④AFをAF-C、オートエリアに設定しよう!
最後にピンボケを防ぐためにピントを合わせるAFの設定を行います。
大体のカメラは初期設定が、「AF-S」または「ワンショットAF」という設定になっています。
そのため、カメラの設定を「AF-C」または「サーボAF」に設定する必要があります。
ニコンやソニーなどのカメラの場合は、下の写真のように「AF-C」に設定します。
キヤノンのカメラの場合は、下の写真のように「サーボAF」に設定します。
(写真はワンショットAFになっていますが…)
また、AFのエリアモードを「オートエリア」に設定しましょう。
「オートエリア」とは、画面の中からカメラが自動でピントを合わせるところを選んでくれる機能です。
オートエリアにしておけば、ピント合わせで失敗することがほとんど無くなります。
最近のカメラのオートエリアは、顔だけでなく瞳を自動認識してそこにピントを合わせてくれるので、よりピントの正確性が増しました。
ミラーレスの何がすごいかをまとめた記事もあるので良かったら参考にしてください。
カメラメーカーの違いなどによりメニュー名が異なったり、そもそもカメラ設定が無い場合もあります。
しかし、同じようなカメラ設定があることが多いので、諦めずに確認してみてください。
スポーツ撮影におすすめのカメラ
ご紹介したカメラ設定を用いることで、本当に誰でもスポーツ写真を失敗せずに撮ることが出来ます。
スポーツ撮影の失敗を防ぐに必要なのは、撮影スキルやセンスではなく正しくカメラ設定を行うことです。
お手持ちの一眼レフカメラやミラーレスカメラのカメラメニューを今一度しっかり確認してみると、それだけで今まで撮れなかった写真を撮ることも出来ます。
それと、少しご紹介しましたが、最近のカメラは瞳AFだったり連写速度が最早プロ機並みのとんでもないカメラがお手頃価格で手に入るようになってきました。
私がスポーツ撮影に実際に使ってみて、おすすめできる一眼レフカメラとミラーレスカメラをそれぞれ紹介しますので、良ければ参考にしてください。
https://frontista84.com/single-reflex-camera-sport/