今年も夏が終わり、朝晩が過ごしやすくなってきました。
この時期を迎えて少年サッカー界隈で毎年話題になってくるのが、小学校卒業後の進路ですよね。
「〇〇君は▲▲▲のセレクションの一次に受かったらしいわよ!」
「●●君はスクールから持ち上がりでジュニアユースに入るみたいよ。羨ましいわぁ」
なんて誰が言ってたわからない噂話も、チーム内で飛び交うこともあると思います。
そんな進路の中でも、もちろん一番人気はクラブチーム(ジュニアユース)に進むことですよね。
特にJ下部ジュニアユースなんて親子の夢でもあると思います。
本記事では、J下部ジュニアユースのセレクションを中心に、子供のために親がサポートしてあげられる事をまとめてみました。
小学校卒業後の進路について
少年サッカー(4種)のチームでも、ジュニアユースも併設しているチームであれば、大半の子は進路が決まっていると思います。
しかし、少年サッカーチームは4種チームのみ運営していることが大半です。
中学に進学してもサッカーを続ける場合、部活かクラブチームかを選択する必要があります。
中学校の部活に進む場合は、基本的にはその中学校に入学すればサッカー部に所属することが出来ます。
一方、クラブチームの場合は2種類のクラブがあります。
- セレクションのあるクラブチーム
- セレクションの無いクラブチーム(ノンセレ)
クラブチームでサッカーを続ける子供の場合、その多くがより強いチームでプレーすることを望んでいるでしょう。
つまり、希望するクラブチームの大半はセレクションのある強豪クラブチームであることが大半です。
話は少し逸れますが、うちの長男が憧れている近所のサッカー少年君も来年中学生になります。
サッカー大好きな彼は、中学では部活ではなくクラブチームに入ることを既に決めているようです。
今年の夏前から、Jリーグ下部組織を中心にクラブチームのセレクションに参加しているよとのこと。
うちの子供たちは、まだまだそのレベルではありませんが、三度の飯もサッカーの話も大好きな私は、サッカー少年君のお父さんからこれまでの経緯を一通り聞かせて頂きました。
ここからは、ジュニアユースのセレクションに関して見聞きしたことを個人の感想を交えて紹介していきたいと思います。
みんなの憧れJ下部ジュニアユースに所属するには
子どもだけでなく親としても、J下部ジュニアユースに所属するというのは一つの憧れだと思います。
J下部をはじめ、ジュニアユースのセレクションチームに所属するためには、主に2通りのルートがあります。
スカウトを受ける
近所の少年サッカー君は神奈川県でも上位のチームに所属しながら、低学年からレギュラーを張ってきました。
そのため、いくつかのクラブチームからお誘いが来ているようです。
J下部ジュニアユースでもスカウト活動は街クラブ以上に積極的に行っています。
公式戦やトレセンでスカウトされる
J下部ジュニアユースからスカウトを受ける方法として、強豪チームに所属して全国大会などで目立った活躍を見せることが挙げられます。
県の公式戦でもベスト8ぐらいからJ下部ジュニアチームと当たる機会があると思いますが、そういった試合で継続的に活躍すること(J下部が必要とする能力を見せること)が出来れば可能性はあると思います。
また、地区トレセンに選ばれることで地域の有力なコーチに注目されることも大切になってきます。
いずれの場合も、継続して公式戦などでインパクトのある活躍を見せることが大切になってきます。
そういった意味でも、普段から子供にはチャレンジするプレーをして欲しいですね!
ちなみに、J下部ジュニアユースのスカウトは、各チームのスタッフ一覧に顔写真付きで紹介されていることが多いです。
試合会場などで見かけた際はどういった選手をチェックしているかなど観察すると面白いかもしれませんね。
J下部主体のスクール・アカデミークラスでスカウトされる
また、J下部のアカデミークラスに所属している選手からジュニアユースに持ち上がるケースも多いです。
特に、アカデミーの選抜クラスであれば、日頃からそのチームに必要なスキルを練習に取り入れていることが多いので、J下部ジュニアユースへの一番の近道かもしれません。
スカウトの場合、その選手がチームに必要であると長い時間を掛けて判断しているので、入団後もスムーズにチームに入っていけることが多いようです。
一般セレクションで合格する
J下部ジュニアユースに所属するためのルートとして、皆さんが抱いているイメージはこちらになると思います。
毎年6月頃からはじまる一般向けセレクションです。
こちらは特に厳しい条件も無く誰でも参加可能なセレクションが多いです。
そのため、J1所属チームなどの人気J下部ジュニアユースのセレクションでは、300人以上が受験することも珍しくありません。
その中から最終的に合格するのは多くて2,3名、少ないときは合格者ゼロということも珍しくありません。
J下部のセレクションの一次に合格するだけでも相当な実力者であり、スクールの中には一次合格者何名!というアピールを行っているところもあるほどです。
強豪チームのセレクションに合格するために
さきほど説明したとおり、希望のチームからスカウトを受けられていない場合は、一般セレクションを合格する方法しかありません。
とんでもない倍率の一般セレクションに挑む上での心構えや、合格するために今から出来ることを具体的に紹介していきたいと思います。
J下部ジュニアユースのセレクションはそもそも受からない
身も蓋もない言い方になってしまいますが、、J下部ジュニアユースの一般セレクションを合格するのは、ほぼ不可能です。
冷静に考えると、300人以上の中から上位3名に入るというのはとんでもなくハードルの高い話です。
仮に記念受験の選手が半数の場合でも、各チームのエース級の選手達150人の中からセレクションを勝ち抜く必要があります。
また、どんなに実力のある選手でもセレクションに受からない場合も多々あります。
- セレクションするチームが所望するタイプの選手では無かった
- 実力通りにセレクションで力を発揮出来なかった
①に関しては、そのチームの現所属メンバーやチーム方針などが影響しているため、本当に余程の実力と伸びしろを見せつけないと、どうすることも出来ない事情になります。
選手自身が出来ることとしては、やはり②のセレクションで実力通りに力を発揮することを心掛けるべきだと考えています。
普段の実力を発揮すると言葉にするのは簡単ですが、いざセレクション当日になると緊張してしまい手足が一緒に動いてしまう子供もいるでしょう。
そうならないためにも、公式戦のようなプレッシャーの掛かる場面に慣れておくはもちろん、所属チーム以外のメンバーでサッカーをすることも大切になってきます。
例えば、サッカースクールなどが挙げられますが、個人フットサルなどに参加することもおすすめです。
それでもセレクションに合格のためにやるべき事
無事に持っている実力をしっかり発揮したとしても、しっかり評価してもらえないとセレクションに合格することは出来ません。
セレクションを受けるチームの特性を理解する
セレクションを受けるチームの特徴を理解し、どういった選手がチームに必要とされているかを意識してプレーする必要もあります。
そういった点でも、そのチームのユース出身選手達はどういった特徴があるのか、その傾向を知っておくのもプレーする上で参考になります。
個人戦術を意識して普段からサッカーをする
Jリーグのチームにはそれぞれ個性があり、足元重視のチームなのか走力を重視しているのか選手にユーティリティ性を求めるのかなど、それぞれのチームに特徴があります。
しかし、どのJリーグチームにも言えることがあります。
それは、ユース出身選手には個人戦術の理解度が強く求めているという点です。
個人戦術とは、選手個人での適応能力というとわかりやすいかもしれません。
試合が今どういった状況なのか?そのためにどういったアクションが必要か?
そのアクションを行うために、最適なポジショニングや体の向き、ボールの置き所などを判断して実行することなどを個人戦術と呼びます。
元バルサカンテラで現レアルマドリード所属の久保選手も、個人戦術が極めて高い選手の一人です。
久保選手のお父さんの本にも、個人戦術について詳しく紹介されています↓
個人戦術は欧州の選手では当たり前のように備えており、日本のJリーグ下部組織でも力を入れている分野です。
ジュニアユースに上がる前のセレクション段階で、個人戦術に対して理解力がある、もしくはその下地が既に備わっていることをアピール出来れば、セレクションでも目につきやすいです。
このあたりも日頃の練習から意識付けて置くと大きな武器に繋がっていくでしょう。
勝負強さを身に着けるために普段から努力をする
逆に、ユース出身選手の弱点として、部活出身選手に比べて勝負弱いという点が以前から挙げられています。
メンタルが弱いで片付けられやすい問題ですが、そこで思考停止していては周りと差をつけることは出来ません。
勝負強い人の特徴として、以下が挙げられると私は考えています。
- 先を見る力がある
- 準備が出来ている
- 目の前の勝負にのみ集中している
これらは、体格やテクニックは関係なく、選手が意識するかどうかで大きく変わってくる部分です。
こういった、一見当たり前のことをしっかり出来る選手が大事なときにしっかり力を出せる勝負強さを持ち、サッカー選手として大成するのだと思います。
プレー面以外の部分もしっかり見られているようです
セレクションに参加する選手達は、自チームでは中心選手であり技術的にも、正直そこまで差が無いレベルであることが多いです。
そんな中で、受け答えがしっかりしていたり周りをよく観察出来ている子供は今後の伸びに期待出来ると、セレクションでもプラスの評価を得る事が多いでしょう。
ちょっとした用具の準備などを積極的に行えるかなども重要です。
ましてや、セレクションに遅刻していくなどは言語道断。。
サッカー以前の当たり前のことが出来ない選手は、その時点でどんなに優れた選手であっても将来性の観点から、合格することはまず無いでしょう。
子供に適したクラブチームを選ぶ3つのポイント
晴れて憧れのチームに入る場合も、第一希望ではないチームに入る場合も、中学生になり実際に通ってみるとイメージと違う…ということも多いようです。
ジュニアユースに限らず、サッカーチームに所属する際に確認しておくべき3つのポイントを挙げていきます。
①無理なく通えること
新しいチームに入って後悔することになった理由として最も多く挙げられるのが、家から通うのに時間が掛かるという理由です。
中学生になったといっても、まだまだ発展途上の子供です。
子供たちに必要なのは十分な栄養と何といっても睡眠時間です。
例えば、19時まで練習があったとして家まで片道1時間半だった場合、どんなに早く帰ってきても帰宅時間は21時頃になるでしょう。
その後に食事やお風呂などを終え、気付いたらあっという間に就寝時間は23時を過ぎてしまいますよね。
さらに、中学校に進学したことで、普段の生活環境も変わりストレスも感じやすい多感な時期になっていきます。
普段の生活に多大な影響を与えてまでそのチームに通う価値があるのか、今一度子供としっかり考えるべきでしょう。
②公式戦や普段の練習風景を確認する
セレクションや練習会では雰囲気の良かったチームでも、実際に入ってみたら居心地の悪いチームだったということもあるでしょう。
やはり普段の練習風景や試合を入団前に確認したほうが良いです。
そして、出来ればガチの公式戦を観戦するのが良いと思います。
本気で勝ちに行く試合の際に、コーチや選手がどういった雰囲気でサッカーをしているのかは確認しておくべきです。
③チームのコンセプトと子供の個性がマッチしている
最後のポイントは実際のサッカーについてです。
そのチームがどういったサッカー観で
勝利至上主義なのか個人能力主義なのか、はたまたエンジョイなのか。
どれが正解かではなく、子供が目指しているサッカー観に一番近いチームを選んだほうが3年間充実した時間を過ごせることでしょう。
また、スカウトの場合はコーチがある程度そのチームの価値観に合った選手に声を掛けることがほとんどだと思います。
そういった意味では、やはりスカウトで声を掛けてくれたチームに入団する場合はうまくいくことが多いようです。
ジュニアユースチームからお声が掛かった場合は、嬉しい気持ちを一度抑えて、なぜ自分に声を掛けたのかなど冷静にコーチに聞いてみたほうがチーム選びにも活かせるでしょう。
まとめ
ここまで、J下部ジュニアユースのセレクションを中心にまとめてきました。
セレクションは本当に狭き門です。
ここまで書いておいて何ですが、、あまり結果に一喜一憂しないほうが良いでしょう。
ジュニアユースのセレクションなんて、人生の通過点に過ぎません。
大切なのは、セレクションに向けて努力する姿勢やセレクションの結果を子ども自身がどう消化するかだと思います。
これからまだまだ先の長いサッカー人生、今後について親子でしっかり話し合うにはセレクションは絶好の機会になります。
あくまで、親は子供のサポーターという考えをしっかり持って、より良いサッカー人生に繋げていきたいですね!