小学生の夏休み・冬休みといえば、川遊びやキャンプ、スキーなど、たくさんの思い出を作ってあげたいものです。
ただ、実際には休みも取れずに1か月近い夏休みを持て余してしまうことも多いのが現実ですよね。
練習時間を確保できる貴重な時間でもある夏休み・冬休みを使って、親子でサッカーの自主練をしたいと思っているご家庭も多いと思います。
本記事では、小学校低学年のサッカー少年向けに今のうちに身に着けておきたいスキルを伸ばすための、親子で取り組める練習メニューをご紹介します。
親子で取り組める練習メニューとなっていますので、夏休み・冬休みの自主練メニューとして是非参考にして頂ければと思います。
低学年の試合で活躍する為には何が必要か?
どのチームにも、足が速くて一人でゴールまで奪ってしまうスーパーな選手って居ますよね。
小学校1,2,3年生のころは、足が速くてシュート力のある子供が活躍するのが少年サッカーです。
試合で中々活躍出来ない子供たちが、いきなりエース級を目指すのはちょっとハードルが高いかなと感じます。
しかし、小学校低学年の時期は、最低限のことが出来ていれば必ず試合でインパクトを残すことが出来ます。
そのためには、一つずつ課題をクリアしていくことが大切です。
守備で球際を頑張れれば試合には出られる
まず、試合に出るためには、守備で計算が出来る選手になる事が一番の近道です。
練習試合などで大差の付いてしまうゲームがたまにあると思います。
大抵は負けているチームの守備が緩く、簡単にゴール前まで運ばれてしまうことが原因です。
いくら練習試合と言っても、相手チームの迷惑にならないよう締まった試合をしたいとコーチ達は思っています。
そのため、Bチームの試合であってもある程度守備が出来る選手を何人か必ず入れるチームは多いです。
守備をうまくするためには、まず何を目指すべきか。
試合中に対面する相手がボールを持ったら寄せて自由にドリブルさせないという事を最初の目標にするのが良いでしょう。
大人なら出来ることが子供には出来ないことがあるのは、当たり前です。
基本的なところから少しずつ理解できるように、練習を通して学んでいきましょう。
試合になるとすぐにボールを蹴ってしまう?
次に、低学年での「少年サッカーあるある」だと思うのが、試合になるとすぐにボールを前に蹴ってしまうことだと思います。
せっかくボールを奪ったりセカンドボールを拾っても一心不乱に前に蹴ってしまい、すぐに相手ボールになってしまうシーンをよく目にします。
前にいる味方が見えていたなど、意図のあるプレーであればむしろ褒めるべきプレーです。
しかし、『相手に奪われたくない!』『試合でミスしたくない!』という気持ちから焦ってボールを蹴ってしまうケースが大半です。
ボールに触る機会が増えたら自分からアクションを起こせるような選手を目指しましょう。
一人でボールを運べる選手が重宝される
低学年のうちは、足元の技術とドリブルを重点的にトレーニングすることが推奨されています。
広く知られていることですが、その目的については浸透していないような印象があります。
足元の技術やドリブルをトレーニングすることで、みんながメッシのようなドリブラーを目指す必要はありません。
試合で活躍するには、何人もの相手をドリブルで抜き去る必要がないからです。
サッカーは団体競技です。
ドリブルよりもパスのほうが速く再現性も高いので、まわりを使ってゴールを目指したほうが効率的です。
では、なぜ足元やドリブル練習が重視されているのか?
それは、相手を抜く・突破するドリブルではなく、チームとして戦う上で「運ぶドリブル」を習得する必要があるためです。
運ぶドリブルとは
- スペースにボールを運ぶ
- 味方がポジションを取るまで、ボールをキープする
- 対面する相手のポジションをずらしてパスやシュートコースを作る
①までを運ぶドリブルという人が多いと思います。
相手を抜く・突破するドリブルとの違いを考慮すると、上記の3つを合わせて『運ぶドリブル』としてここでは説明します。
ここからは実際に課題を克服するための練習メニューを説明していきます。
守備で球際に強くなるための練習メニュー
まずは守備の基本を理解するところからはじめましょう。
小学校低学年で特に気持ちが優しい子供の場合は、相手選手に体を当てに行ってボールを奪うことが苦手な子供が多いです。
ボールを取りに行ってもどうせ取れないと考えている子供も居るので、守備で球際に強くなるコツを覚える練習に取り組みましょう。
相手選手と味方ゴールの間にポジションを取る
守備の鉄則は相手をゴールに向かわせない、相手にシュートを打たせないことです。
どんなシーンでも相手選手と味方ゴールの間にポジションを取るという基本をまずは身に着けてください。
練習方法としては、シンプルな対面での1対1に取り組むのが効果的です。
親が攻撃役となり左右に突破を図るケースを作り、その際にポジションを正しく取れることを意識します。
左右にしっかり動けることが重要になってくるので、1対1と合わせてラダートレーニングなどにも取り組むのが効果的です。
はじめは、お互いボールを持たない状態で左右に駆け引きするなどからはじめましょう。
大切なポイントは、相手としっかり対面し続けることです。
ボールを持って1対1を行う場合に意識したいのが、正しく守備が出来ている場合はボールを奪われるようにすることです。
正解を教えてあげて、それを続けられるようなモチベーションにしましょう。
逆に、しっかり正面に入っていない状態で足だけで奪いに来た際は、ボールを奪われないように頑張ってください(笑)
自分の担当する相手選手を見極めて、ポジショニングを理解する
対人に強くなっても、相手が攻める場面でその場所に居なければ守備は出来ません。
守備が計算できる選手になるためには、ポジショニングを理解することも大切です。
我が家の子供たちもサッカーをはじめた当初は、どうやって動けば良いかを理解するところで苦労しました。
これはトレーニングというより、親子でのコミュニケーションの一環として改善を目指しましょう。
練習や試合の振り返りや、撮影した動画を見て客観的に自分がどう動いているのかを見せてあげると理解が深まります。
試合中にボールを適当に蹴らなくする練習メニュー
試合中にボールを適当に蹴ってしまう理由はいくつかあります。
- 相手が近くにいるから蹴る
- 守備してボールを取ったから蹴る
- (以前に)蹴れと周りに言われたから蹴る
これらいくつかある理由も、その原因は結局一つです。
それは、試合中に周りが見えていないからです。
周りを見て状況判断がしっかり出来ていれば、その時に最適なプレーを選択することも可能です。
周りを見ろって言われても出来るはずない
しかし、周りを見ろと抽象的な指示を試合中に言われても、出来るわけがありません。
周りを見てプレーするというのも、立派なスキルです。
普段の練習から意識することで、顔をあげて周りを見ながらプレーする習慣をつけることが出来ます。
顔をあげてプレーするためには、以下のポイントが重要です。
- トラップなどボールコントロールがしっかりしていること
- 適切なタイミングで顔をあげること
- 顔をあげてどこを見るかを理解していること
顔をあげるタイミングとトラップ練習
低学年の子供とトラップ練習をする際に、顔をあげて周りを見てみようとアドバイスします。
すると、トラップする瞬間も含めてずーっと顔をあげてトラップするのでボールがどこかに行ってしまう動きになりやすいです。
サッカーの練習メニューの基本である対面パスの練習の際に、顔をあげるトレーニングも組み入れましょう。
顔をあげるタイミングを正しく理解してもらい、それが習慣になるように反復練習を行いましょう。
体の向きを意識できればより良い選手になれる
首を振って周りを確認出来る選手は良い選手だと思います。
そこからさらにレベルアップするためには、体の向きを意識することが重要です。
次の自分のプレーを予測して、その方向にあらかじめ体の向きを変えて置くことで、以下の二つのメリットがあります。
- 自分のプレーするエリアに対して、視野を確保できる
- 次のプレーエリアに体が向いているので、動きだしがスムーズになる
特に、あらかじめ視野を確保することが出来るので首を振らなくてもより状況判断が出来るというのは大きいです。
こういった、体の向きだったりボールの置き場所をコントロールする技術を、コントロールオリエンタードと言います。
状況判断が出来ていれば、試合中に急にボールが転がってきても落ち着いてプレーすることが出来るようになります。
地味ですが課題を意識したトレーニングを積み重ねることで、すぐにボールを蹴ってしまうクセを少しずつ改善していきましょう。
運ぶドリブルの練習メニュー
最後は運ぶドリブルの練習に関してです。
前述したように、運ぶドリブルはここでは以下の3つを指します。
- スペースにボールを運ぶ
- 味方がポジションを取るまで、ボールをキープする
- 対面する相手のポジションをずらしてパスやシュートコースを作る
それぞれについて、練習メニューがあると思いますが、これら3つの要素全てに必要な技術があります。
それは以下の二つです。
- 相手から遠い方の足でボールを扱う技術
- アウトサイドの柔らかいタッチ
運ぶドリブルで最も重要なのは、相手にボールを奪われないことです。
ドリブル練習というと、相手を抜くためのフェイントなんかを反復練習するというイメージが強いと思います。
運ぶドリブルには、細かいボールタッチと逆足も使えるようなトレーニングをすることが重要です。
低学年では体の大きく足の速い子供を抜くことは非常に難しいです。
足が遅くても、フリーのときにしっかりスペースに運んで相手ゴールに少しでも近づく。
そういったプレーが出来る選手がチームにいると、どんな相手との試合であっても大変助かります。
相手に取られない運ぶドリブルを習得することにチャレンジしてみてください。
まとめ
夏休み・冬休みなど、長い期間の休みを利用して親子で取り組める練習メニューを紹介しました。
普段のチーム活動では細かいところまでコーチからアドバイスをもらうことは難しいです。
子供一人一人に適した練習メニューに取り組んであげることは、親の出来るサポートの一つだと思います。
夏休み・冬休みだけでなく長い期間を掛けて少しずつ上達していく子供の姿を楽しみながら、親としてもサッカーを楽しんで頂ければと思います。