本来、サッカーは11人制で行われますが、4種の少年サッカーは8人制サッカーが現在は主流になっています。
8人制サッカーが導入されている理由から、ポジション毎の適正まで、自分なりに調べたことをまとめたいと思います。
ちなみに、オランダでは「7人制サッカー」、アメリカでは「6人~8人制サッカー」が小学生年代では主流のようで、国によっても異なるようです。
8人制サッカーが導入されている理由(メリット)
8人制サッカーが導入されている理由は、一にも二にも、小学生年代の子供達の成長のためです。
8人制サッカーには、以下のようなメリットがあり、日本サッカー協会が積極的に推奨してきたため、今日のように普及しているようです。
ボールにたくさん触ることが出来る
単純に11人制と比べて3人も人数が少ないので、選手一人一人のプレー機会が増えます。
やはり、この年代ではボールに触れてゴールを目指すという「サッカーの本質的な楽しみ」をたくさん体験させてあげたいですよね!
2チーム出しが行いやすい
人数の多いチームであっても、2チーム出しをすることで補欠の子供を減らすことが出来ます。
コーチの負担が高いことや、高学年の大会では2チーム出しが行えないなど、課題も多いとは思いますがこの取り組みはとても共感出来ます。
コートが狭いためゴール前の攻防が生まれやすい
こちらも大きな要因の一つですね。
近年の日本サッカーの課題でもある、攻守の切り替え(トランジション)とゴール前でのテクニック向上に適しています。
ゴール前のテクニック(ボールを置く位置、キーパーの動きの見極め、シュートのアイデア)は、才能だけでなく慣れの部分がかなり大きいと思うので、その機会を増やすことは重要です。
試合を開催しやすい(試合会場と審判の確保)
ここからは、大人の事情になります(笑)
試合を開催するのって何かと手間が掛かりますよね。
特に苦労するのが、試合会場と審判の確保です。
8人制サッカーのコートは、11人制サッカーコートを約半分にしたものです。
(推奨サイズは、縦68m×横50m)
そのため、コート一面で同時に2試合を行うことが出来ます。
大会予選などは出場チームが多いと、かなりの数の試合をこなさなければなりません。
サッカーコート1面で2試合同時に行えるというのは、かなり大きなメリットです。
また、11人制サッカーの審判が最低3名必要ですが、8人制サッカーは最低1名の審判で試合が行われます。
審判1名での8人制サッカーの試合では、オフサイドの取り損ないなどはどうしても起こってしまいます。
それが試合の勝ち負けに直結することもあるでしょう。
試合結果にこだわることはもちろん大切ですが、大会運営の実情や選手育成という大きな目的を加味すると、審判1名で行われる8人制サッカーを私は支持したいと思います。
8人制サッカーのデメリット
これは、完全に私見です。
8人制サッカーは、人数が少ない分スペースも広いです。
そのため、縦に速いサッカーになりやすいです。
特に、公式戦やグランドコンディションが良くない状況では、どうしても縦に長いボールを蹴って、足の速かったり体の大きい子を走らせるチームも少なくありません。
子供の特徴を活かすサッカーは素晴らしいと思いますが、技術的に伸び盛りなこの世代でこういったサッカー一辺倒では、選手育成の面では正直勿体ないと感じます。
8人制サッカーの基本フォーメーション
ここからは、8人制サッカーのフォーメーションをご説明したいと思います。
まず、8人制サッカーの場合もGKは1名必要です。
そのため、フィールドプレイヤーは7名になります。
フォーメーションは、DF-MF-FWの順に数字を並べて表すことが多いです。
例えば、「2-3-2」であれば、以下のようなフォーメーションになります。
- 守備を頑張るディフェンダーが2人
- 攻守に頑張るミッドフィルダーが3人
- 攻撃を頑張るフォワードが2人
日本サッカー協会が推奨する2-3-2
選手を均等に配置した基本フォーメーションが2-3-2です。
このフォーメーションの特徴は、どの選手も同程度の広さとなるプレーエリアが設定されているので、全員が試合に絡みやすい点です。
育成観点でも理にかなっているため、日本サッカー協会が推奨するフォーメーションとなっています。
また、点を取りに行く場合など前掛かりになるとスペースが空きやすいので、ダイナミックな試合展開になることが多いです。
採用チームが多い3-3-1
大会などでよく採用されているフォーメーションが3-3-1です。
このフォーメーションの特徴は、DFが三枚であること、サイドが二人居ることから、守備時にカバーリングが行いやすく、相手のロングボールに対応しやすい点です。
基本的に、守備の際はボールホルダーに対して二人で当たることが出来るので一人がボールにアタック、抜かれてももう一人がカバーすることが出来ます。
攻撃では、ワントップの選手とその下のトップ下の選手が中心になることが多いです。
そのため、飛びぬけて巧い子に頼り切ってしまうことにもなりやすいです。
ポジション毎の適正
8人制サッカーは人数も少なくコートが小さいため、フィールドプレイヤー全員が常に試合に関わる必要があります。
そのため、基本は全ての選手が「攻撃」「守備」どちらのタスクも要求されます。
先ほども書いたとおり、8人制サッカーはどのポジションの選手もその時求められるプレーを行う必要があり、まさにサッカー協会の狙いもここにあると思います。
しかし、従来の11人サッカーと同様にフォーメーションによって、ポジション毎の適正が異なるのも事実です。
ゴールキーパー(GK)
8人制サッカーの世代では、なんといっても背が高いと有利です。
背が高いというだけで、キーパー未経験の子もJ下部にスカウトされることもあるようです。
- 背が高い
- 瞬発力がある
- ボールの落下点を予測できる
- キック力がある
ディフェンダー(DF)
ディフェンダーに求められている適正は以下の点でしょうか。
- 足が速い
- 球際を怖がらない
- ボールの落下点を予測できる
- キック力がある
- ミスが少ない
「ミスが少ない」というのは、技術的な点もありますがピンチの時も冷静に判断する性格やメンタルが必要だと思います。
ミッドフィルダー(MF)
前からも後ろからも、そして横からも相手チームが襲い掛かってきます。
そういったプレッシャーを撥ね退けられる技術が求められるポジションです。
- ボールを運べる
- ボールをキープできる
- 味方を使える(視野・アイデア)
- シュート力がある(威力・精度)
フォワード(FW)
11人制サッカーのサッカーもそうですが、最後はFWが点を取れるかどうかです。
点を取るためにまずはシュートを打てるか。シンプルですがシュートを打つためのテクニックや駆け引きを持つFWが優秀なFWだと思います。
- 足の速さ
- シュート力がある(威力・精度)
- 気持ちが強い
- とにかく気持ちが強い
ちなみに、私はごっつあんゴールという表現が嫌いです。。
ただ、ボールを押し込むだけのゴールもありますが、そこにポジションを取っていることを褒めるべきです。
ポジションの難易度は?
ポジションの難易度は、フォーメーションや志向するサッカーによります。
主流となっている「3-3-1」の場合、やはり1トップとトップ下はエース格の選手に任せることが多いです。
また、この世代からポゼッションサッカーを志向するチームの場合は、運動量と状況判断力が必要とされる両サイドが重要なポジションになります。
少年サッカーではポジションはなるべく固定しないほうが良い
8人制サッカーが行われる小学生年代では、育成の観点ではポジションを固定しないほうが良いです。
例えば、DFしか経験したことの無い選手が居たとします。
チームが変わり、チーム事情でFWにコンバートされた場合、恐らくFWらしい動きを行うことは不可能でしょう。
センスが無いからではありません。経験していないからです。
チームに必要とされる選手になることも重要ですが、一番大切なことは成長してサッカーを長く好きでいてくれることです。
また、ポジションを固定しないことは技術的な観点からも効果は大きいです。
例えば、普段パスを出す側である中央ポジションの選手が、パスを受ける側のサイドポジションを経験したとします。
「このタイミングでパスが欲しい」などパスを受ける側の気持ちを理解することで、本来のポジションに戻った時も一段高いレベルでプレーすることが出来るようになるのです。
そういった観点も含めてサッカーチームを選ぶことで、お子さんや保護者が納得するチームに巡り合える可能性が高くなると思います。
まとめ
8人制サッカーのポジションやフォーメーション、ポジション毎に求められる適正などをまとめました。
ポジション毎の適正はありますが、何度も言いますが、この世代では「サッカーを楽しみ、技術を向上させる」ことが最も大切なことです。
選手一人ひとりの性格を尊重し、適切なポジションを把握することと同時に、色々なポジションを経験させてあげられるとサッカーに対する理解も深まっていくと思います。
子供は目の前の試合に勝ちたい!と思うでしょうが、親としては一歩引いてもう少し長い目で子供をサポートしてあげましょう。
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