少年サッカーのスクール選びやチーム選びで大事なポイントがあります。
それは良い練習に取り組んでいることです。
競技経験や指導歴のある保護者ですと練習内容やその意図を把握することは出来ます。
しかし、多くの保護者さんにはその練習が効果的かどうかを判断することが難しいと思います。
本記事では、どういった練習が良い練習なのかを判断するポイントをいくつかご紹介したいと思います。
リフティングやコーンドリブルは意味のない練習?
サッカーの練習と言えばコーンドリブルやリフティングを思い浮かべる人も多いと思います。
ボールコントロールを身に着ける基礎練習としては、リフティングやコーンドリブルなどの練習は効果的です。
しかし、近年はコーンドリブルやリフティングは意味のない練習だと意見する人も増えてきました。
一部ではコーンドリブルは選手としての成長を阻害する悪だとまで言い切る風潮さえあります。
その理由は、コーンドリブルなどはサッカーの試合中に起こりえないシチュエーションだからです。
試合で起こりうる状況を練習に落とし込む
サッカーに限らず、練習の目的は試合で活躍することです。
そのためには試合で起こりうることを切り分けて練習に落とし込むことが重要です。
前述したコーンドリブルのように止まった相手を何人もドリブルで抜くようなシーンは実際の試合では起こりえないことです。
コーンドリブルがいくら上手くても、それだけでは試合で活躍は出来ない。
つまり「コーンドリブル”だけ”やっても意味がない」という考え方になります。
これはおおよそ正しいと私も感じます。
「サッカーの試合では同じ状況は2度と起こらない」とよく言われています。
サッカーに大切な要素は技術ももちろんありますが、試合中の状況をしっかり「認知」して必要なアクションが何かを「判断」することです。
この「認知」「判断」の力を練習でつけるために、敵味方が動くような試合で起こりえる状況を切り取った練習が有意義であると近年言われています。
同じ対人練習でも正対した状態からの1対1よりも、カウンター攻撃を想定した3対2など状況を想定することでより効果的な練習になります。
最近よく聞く個人戦術という言葉ですが、敵味方スペースを含めた認知・判断する力と言い換えるとわかりやすいかもしれません。
では、サッカーをはじめた場合の小学1年生に対して、ディフェンスラインからの組み立てを想定した練習が適しているでしょうか?
答えはノーです。
レベルや年代によって求められるサッカーの練習は異なる
結論から言うとその子にあったレベルの練習が最も良い練習メニューになります。
例えば、小学1年生がいきなり消費税の計算を理解するのは難しいでしょう。
- 足し算
- 掛け算
- 少数
このあたりを理解して初めて消費税の計算方法と、普段からどれだけ税金を持っていかれているかを理解することが出来ます。
サッカーに話を戻してみると、
- ボールを止められるか
- 狙ったところにボールを蹴れるか
- ボールと一緒に前に進めるか
といったような基礎がどの程度出来ているかを保護者が把握するところからスタートするべきでしょう。
まだまだ基礎が出来ていない場合は、それに合わせた基礎練習がその子に最も適した練習メニューになります。
- 対面パス練習
- コーンドリブル
- リフティング
基礎が出てくるころには実際の試合での課題も見えてくるかと思います。
- 攻守の切り替えが遅い
- ボールを持ってから余裕が無い
- ポジショニングが悪くてパスが受けられない
練習したい課題が見えていれば、あとはそれを補えるスクールを見つけるだけです。
高学年向けのスクールでは練習に特色を出しているスクールも多いので、色々体験に行くことをおすすめします。
目安としておおよその時期に必要な要素を書いておきます。あくまで参考です。
- 低学年1,2年生 ボールタッチ、全身運動
- 中学年3,4年生 ミニゲーム、アジリティ
- 高学年5,6年生 ゲームの流れに適したオフザボールの動き
少年サッカーでの良い練習を見分ける5つのポイント
最後に良い練習を見分ける5つのポイントを紹介します。
これらはサッカーのレベルによらずに共通するポイントです。
1.待ち時間が少ない
練習場が狭かったりコーチが少ないことが原因で待ち時間が長いと練習効率はやはり落ちます。
待ち時間が長い分を練習時間で補っている所もありますが、個人的にはおすすめできないです。
2.ボールを用いた練習が多い
サッカーでも野球でも走り込みという練習メニューがあります。
私は走り込みという練習自体は非効率だと思っていますが、走ることはどのスポーツでも重要だと考えています。
同じ走る練習でもボールと一緒に走るような、ボールコントロールと走る力を一緒に鍛えられるような練習メニューが理想です。
3.色々な体の動きを取り入れたメニューが多い
特に低学年の頃はサッカーの動き以外も取り入れたような練習メニューが良いです。
足だけではなく体全体を意図通りに動かせるようなコーディネーショントレーニングに取り組むべきでしょう。
近年プロ選手を多く輩出している興国高校でも後ろに走りながらのリフティングなど様々な動きを取り入れています。
4.必ず「認知」「判断」の伴う練習メニューがある
こちらは前述したとおりです。
どんなに体が大きく足が速くても、認知・判断の力が無いと試合ではボールに絡めなくなっていきます。
個人的には基礎技術と同じように低学年から鍛えるべきではと思います。
5.強度の高いゲームが組み込まれている
練習最後のミニゲームなどで強度の高いゲームに参加できることも重要です。
実際に習得した技術を実践で試すことはとても大切です。
ただし、やりすぎには十分注意するべきでしょう。
子供は少し体が痛くてもサッカーをしてしまいます。
コントロールしてあげるのも保護者の役割だと思います。