子供のサッカーや部活動などで、またはお気に入りのサッカー選手の素晴らしいプレーを写真に収めたい!と思うことも多いと思います。
ダイナミックでかっこいいサッカーの写真を撮るには、サッカー撮影に適したカメラレンズを選ぶことがまず大切です。
カメラレンズをしっかり選んで正しいカメラ設定を行えば、だれでもサッカー撮影は簡単に行えます。
カメラレンズを選ぶ際は、サッカーのどういったシーンを撮影するかを考慮しましょう。
安易に高いレンズを買わずに撮りたいシーンに応じたレンズを選ぶことが重要です。
本記事では、サッカーを撮影する際のシチュエーション毎に最適なカメラレンズの選び方をご紹介したいと思います。
スマホではかっこいいサッカーの写真は撮れない
最近のスマホはズームも出来ますし、背景をぼかすような画像処理も行えます。
(ちょっと不自然ですが)普通の人物撮影であればスマホでもそれっぽい写真を撮ることは出来ます。
ただ、遠くの選手を撮影したいサッカーの撮影ではスマホでは立体感や躍動感のある写真を撮ることは難しいです。
スマホの背景をぼかす画像処理は、「近く」の人物と「遠く」の背景をスマホが判別して「遠く」の背景のみ画像処理でぼかしています。
サッカーの撮影では、選手も「遠く」、背景も「遠い」ため、背景をぼかすような画像処理を行うことが出来ないのです。
こういった印象的な写真を撮るためには、スマホではなくカメラと適切なレンズを選ぶ必要があるのです。
レンズを選ぶポイント「焦点距離」とは
カメラレンズを選ぶ際に一番大事なポイントが、レンズの「焦点距離」です。
焦点距離とは、一言で説明すると写真に写る範囲のことです。
焦点距離が短い:広い範囲が写る
焦点距離が長い:狭い範囲が写る
狭い範囲が写る=遠くの人物を大きく写せる
離れた位置から選手を撮影することが多いサッカー撮影の場合は、焦点距離の長いレンズが適しているということです。
https://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/manual/19/01.html
カメラレンズの種類は大きく5種類
カメラレンズは大きく分けて5種類あります。
それぞれの特徴をわかりやすく説明していきたいと思います。
単焦点レンズ(非望遠)
単焦点レンズとは、ズームレンズと異なり画角(写る範囲)が固定されているレンズのことです。
そのため、意図した画角の写真になるように自分で前後に動く必要があります。
一見不便そうに見える単焦点レンズですが、ズームレンズに比べてボケやすく作品性の高い写真が撮れるという特徴があります。
また、比較的安くてサイズもコンパクトなので35㎜単焦点レンズなどは一本あると便利です。
遠くの物を大きく移せないのでスポーツ撮影よりかはポートレートや風景撮影にピッタリのレンズです。
単焦点レンズ(望遠)
単焦点レンズの中でも遠くの人物を大きく写せる望遠の単焦点レンズもあります。
実はプロのスポーツカメラマンの大半はこの単焦点レンズ(望遠)でサッカーなどを撮影しています。
ボケやすいので作品性が高い写真を撮影することが出来るためです。
しかし、サイズがとても大きく、値段がべらぼうに高いのでおすすめは出来ません。
広角ズームレンズ
ここからはズームの出来るズームレンズです。
広角ズームレンズは広い範囲を撮影出来るレンズです。
そのため、旅先での風景や狭い屋内などでよく使われるレンズです。
標準ズームレンズ
最も一般的なレンズがこちらの標準ズームレンズです。
カメラを買った際に付属しているレンズなども標準ズームレンズに含まれます。
屋内競技であれば標準ズームレンズでも撮影出来なくはないですが、サッカー撮影には標準ズームレンズでは力不足ですね。
望遠ズームレンズ
サッカー撮影に適したカメラレンズは、望遠ズームレンズです。
遠くでプレーしている人物も大きく写すことが出来るので、動きのあるダイナミックな写真を撮ることが出来ます。
また、望遠の単焦点レンズと比べて、ズーム出来るのでピッチの手前の選手も奥の選手も撮影することが出来ます。
サッカー撮影に最適なレンズの焦点距離とは
サッカー撮影には望遠レンズが最適です。
しかし、望遠レンズと一口で言っても、様々な焦点距離のレンズが発売されています。
サッカーを撮影する際のシーン毎に最適な焦点距離を説明していきます。
ここではプロ/ハイアマ向けのフルサイズカメラではなく一般的なAPS-Cカメラを例に紹介します。
フットサル撮影
フットサルはコートのすぐ脇で撮影が出来るため、場合によっては標準レンズでも撮影することが可能です。
焦点距離が120㎜まである標準レンズが一番適しています。
フットサルコートの真横から撮影した画像をもとに、レンズの焦点距離ごとにどう映るかをご説明します。
焦点距離28㎜で撮影した写真
焦点距離70㎜で撮影した写真
焦点距離120㎜で撮影した写真
レンズの焦点距離が120㎜ぐらいまであると、フットサルコートの横からでもお子さんを大きく写せます。
フットサルを撮影する際の注意点ですが、コートのネットに可能な限り近寄ることです。
ネットのすぐそばまで近寄るとネットがぼけて見えなくなり、あたかもコートの中から撮影したような写真を撮影することが出来ます。
小学生サッカー(8人制サッカー)撮影
小学生の8人制サッカーは、通常のコートの半分を使用して試合が行われます。
少年サッカーの場合は、レンズの焦点距離が200㎜まである望遠レンズが一番適しています。
サッカーゴールの真横から撮影した画像をもとに、レンズの焦点距離ごとにどう映るかをご説明します。
焦点距離50㎜で撮影した写真
焦点距離100㎜で撮影した写真
焦点距離200㎜で撮影した写真
少年サッカーを撮影する場合は、レンズの焦点距離が200㎜ぐらいまであると、手前側のコートでは大きく、奥側のコートでのプレーも写真に収めることが出来ます。
フルコートサッカー撮影
フルコートのサッカーの場合は、ある程度焦点距離の長いズームレンズが必要になります。
焦点距離が300㎜まである望遠レンズがおすすめです。
スタジアム観戦
観客席の一番の席を確保してもゴール前などから距離があるスタジアムが多いです。
そのため、焦点距離が300㎜以上ある望遠レンズがおすすめです。
また、ボケが綺麗な写真を撮りたい場合は、思い切って単焦点レンズに挑戦するのもありです。
焦点距離以外に大事なのはレンズの絞り値(F値)
焦点距離以外に大事なレンズのスペックとして、絞り値(F値)があります。
絞り値(F値)は数値が小さいと「明るい」数値が大きいと「暗い」と呼ばれています。
絞り値(F値) 数値が小さい:ボケやすい
絞り値(F値) 数値が大きい:ボケにくい
単焦点レンズがボケやすいのも、単焦点レンズは絞り値(F値)が小さいレンズが多いためです。
また、絞り値(F値)が小さい方が、暗いところでもノイズの少ない写真を撮ることが出来ます。
絞り値(F値)が小さいことによるメリットは大きいですが、大きなデメリットもあるので注意が必要です。
カメラレンズの絞り値(F値)を小さくするためには、カメラレンズに入っているレンズを大きくする必要があります。
そのため、絞り値(F値)が小さいレンズはボケやすいが、レンズのサイズが大きくて値段が高くなる傾向があります。
サッカー撮影はナイターの場合でも照明がしっかりしているスタジアムが多いです。
安さとサイズを重視して絞り値(F値)の大きいレンズを選ぶという選択肢もあります。
おすすめの高コスパ望遠ズームレンズ
ここからは、大手カメラメーカーのニコン、キヤノン、ソニーのおすすめ望遠ズームレンズをご紹介していきます。
ニコン
ニコンは、一眼レフカメラ用とミラーレスカメラ用のレンズがあるので注意が必要です。
ニコン一眼レフ用望遠レンズ(Fマウントレンズ)
Fマウントレンズは従来のニコンの一眼レフ用レンズのことです。
下の望遠レンズは、焦点距離が18㎜から300㎜まで変えることが出来る超高倍率ズームレンズです。
スポーツだけではなく普段の撮影でもこれ一本でいけるので、とても便利な望遠レンズです。
最近発売された、レンズ名の頭に「AF-P」という名前のつくレンズは、新設計の写りが良く軽くて安いレンズです。
ただ、対応しているカメラとそうでないカメラがあるので、AF-Pレンズを買う場合はお使いのカメラが対応しているかを確認してください。
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/combination/#section12
ニコンミラーレス用望遠レンズ(Zマウントレンズ)
最近ニコンから発売された小型ミラーレスカメラ「Z50」に対応しています。
キヤノン
キヤノンもニコンと同様に一眼レフカメラ用とミラーレスカメラ用のレンズがあるので注意が必要です。
キヤノン一眼レフ用望遠レンズ(EF-Sマウントレンズ)
キヤノンミラーレス用望遠レンズ(EF-Mマウントレンズ)
キヤノンはミラーレスが2種類あります。
フルサイズミラーレスカメラシリーズ「EOS R」と小型ミラーレスカメラシリーズ「EOS M」です。
EF-MマウントレンズはEOS Mに対応したレンズになります。
こちらの望遠レンズがEOS Mで使える一番ズーム出来るレンズです。
コンパクトで良いのですが、スポーツ撮影には少し焦点距離が足りない場合もあります。
ソニー
ソニーは現在はほぼミラーレスカメラのみなので、ミラーレスカメラ用のレンズをご紹介します。
ソニー用望遠レンズ(Eマウントレンズ)
ソニーのミラーレスカメラは、レンズの種類が1種類だけなのでレンズを選びやすいです。
スタジアムでの撮影など遠くからでも大きく写したい場合は、下の超望遠レンズがおすすめです。
まとめ
サッカー撮影の際は三脚ではなく一脚を使うと撮影がぐっとらくになります。
最初にもご説明しましたが、用途にあったレンズを選ぶことが大切です。
安易に高いレンズを買わずにどういったシーンで撮影するかを考慮して選ぶことをおすすめします。